
担当医 金子 泰雄
虫歯の進行と治療法

虫歯は、細菌によって歯が溶かされてしまう病気で、非常に多くの方が苦しめられています。自分の歯は健康だと思っていても、あるとき突然痛み出して、歯科医院に行ってみたら重度に進行していた……そんな話も珍しくはありません。虫歯を防ぐためにも、まずは虫歯がどのように進行するのかを知りましょう。

C1:エナメル質内の虫歯
歯の表面に位置するエナメル質が虫歯菌に溶かされている状態です。この時点ではまだ痛みはありませんが、放置しても自然治癒することはなく、進行し続けてしまいます。治療の際は侵された歯質を削ってレジン(歯科用プラスチック)などを詰めるのが一般的です。

C2:象牙質に達した虫歯
歯髄(神経)の直前にある象牙質まで虫歯が進行した状態です。歯髄が近いため歯が敏感になり、冷たい物や甘い物がしみるようになります。治療の際は虫歯が進行した部分を削って詰め物をします。

C3:歯髄に達した虫歯
歯の中心にある歯髄まで虫歯が進行した状態です。この段階では、激しい痛みをともなった症状が出てきます。ここまで進行すると普段の生活にも影響が出てしまいます。治療の際は炎症を起こした歯髄を除去し、被せ物を装着するのが一般的です。

C4:歯根に達した虫歯
虫歯が歯髄に達した状態で放置すると、歯髄は壊死して歯根の先から顎の骨の中まで細菌が感染します。ここまで進行すると、壊死した歯髄をすべて除去して消毒しなければなりません。また、あまりにひどい場合は抜歯の必要も出てきます。
歯周病の恐怖と治療法

歯周病は、プラーク(歯垢)に含まれる歯周病菌によって発症する歯の周囲の歯肉と骨の病気です。まず歯肉が腫れてブラッシングの際などに血が出るようになり、やがて顎の骨まで細菌に冒されて溶けてしまいます。そして最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周病は日本の成人のうち約80%が発症していると言われ、日本において歯を失う原因の第1位となっています。歯周病も虫歯と同じく、発症してしまうと自然治癒することがないため、早めに歯科医院で治療することが重要です。しかし、初期は自覚症状がないため判断しにくく、気付いたときにはかなり進行していることも多いのです。自分は歯が丈夫で歯科医院には行ったことがないという人が最も危険です。
歯周病を治すために
歯周病は、歯の周囲にプラークや歯石が長期間溜まることによって引き起こされます。そのため、歯周病を治療するためにはまずプラーク・歯石を除去して清潔にする必要があるのです。ただし、通常のブラッシングだけでは除去しきれない箇所もあるため、歯科医院で治療を行うことがお勧めです。
TBI(ブラッシング指導)

ブラッシング方法は、年齢や歯の生え方などによって異なります。それを把握せずにブラッシングしていると、どうしても磨き残しができてしまうのです。あなた自身の歯並びや年齢に合ったブラッシング方法を身につけることが最も重要です。
スケーリング


プラークは、だ液と反応を起こすと「歯石」になり、歯に強固に付着してしまいます。そうなるとブラッシングで除去することはできないため、器械や器具を用いて取り除く必要があるのです。これをスケーリングと言います。
フラップオペレーション
歯周病が悪化すると歯周病菌が歯の周囲の歯肉の奥深くまで入り込み、通常の治療法では歯石の除去ができなくなってしまいます。スケーリングで歯石を除去しきれない場合は、歯肉を切開して歯根を露出させてから除去する必要が出てくることもあります。



